電気は静電気,磁気は羅針盤の発明などを見ればわかるように古くから知られてた.
1785年,クーロンは電荷の間に働く力を測定し,電荷の間には電荷の強さの積とそれらの距離の2乗に反比例する力が働く(クーロンの法則)ことを示した.
クーロンの考え方は遠隔作用といって,力は遠方に直接作用するというものであったが,ガウスは電荷の周囲の空間が徐々に変化して力が伝わるという近接作用の立場から,ガウスの法則として電荷と電場の関係を整理した.
1799年にボルタは電池を発明した.[1] これにより,電気は電流という形で取り出すことができるようになり,コントロールできるものとなった.
1820年にエールステッドは電流が磁石に力を及ぼすことを発見した. これは,電気と磁気の間に何か関係があることを意味した. さらに,1823年アンペールは電流同士にも力が働くことを発見[2]し,そこから磁気の起源が電流にある(アンペールの法則)のではないかと考えた.
1831年にファラデーは電流を磁石から作ることに成功した. これが電磁誘導の法則といわれているもので発電機の原理[3]である. コイルの側で磁石を動かすとコイルに電圧が発生し電流が流れる. ファラデーはこの現象を説明するために電気力線・磁力線と電場・磁場という概念を導入した. 空間には電場及び磁場が存在し,これらの変化が様々な現象を生み出す.[4]
1864年,マクスウェルはそれまでの法則をまとめあげ,1つの仮定を加えて4つの法則に整理した.
最後のアンペールの法則に付け加えられた電場の時間変化が磁場を生み出すということが新しい仮定であった.
通常,これらの法則は
微分方程式として与えられており,これらをマクスウェル方程式とよんでいる.
これらの法則を組みあわせると電場と磁場が波として空間を伝わることを示せる.
上記の1.と2.を繰り返すと電場と磁場がお互いを作り出し空間を伝わっていくことになる. 電磁波は横波であり,伝わる速さは光と同じ,反射・屈折なども光と同じように起こることがわかったので,マクスウェルは光も電磁波であると考えた.[5]
1888年ヘルツが実験によりこれらを確かめた.[6] こうして電磁波が存在することが証明された. 理論から目に見えないものが存在することを証明できたことは画期的なことであった.
波は物質中を伝わるということが常識であった. なぜなら,波は振動が伝わっていく現象だからである. つまり,振動するもの(媒質)が必要なのだ.
そこで,真空中には電磁波を伝える何かわからないものがあると考えられるようになった. エーテル(天空を満たす精気,化学物質のエーテルとは無関係)と名付けられた. ところが,エーテルを見つけようという試みはことごとく失敗した.
しかし,どのような実験をしても光の速さの変化は観測されなかった.[7] いまだに光の速さの変化は観測されていない.
そもそも,マクスウェル方程式が基本方程式であると考えると相対性原理に従っていることになる. 相対性原理とは慣性系において物理学の基本法則は変化しない[8]というものである. アインシュタインは,マクスウェル方程式が相対性原理に従う場合には時間と空間が変化すると考えねばならないことを示した. これが特殊相対性理論である. これはエーテルという存在を必要としない理論が構築できることを意味した.
また,アインシュタインは同時に光量子仮説も提唱した. 光電効果[9]という現象を説明するには,光が粒子としての性質を持っていなければならないというものであった. これは,20世紀になって新しく誕生した量子力学[10]の出発点となる出来事であった.[11]
イオン化傾向が異なる金属を電解液(食塩水 etc.)に浸すことで電池になる. 電圧の単位の[V](ボルト)はボルタの名前から取られた. ガルバーニは,カエルの足を異なる金属で触れるとカエルの足が動くことを発見した. これがきっかけとなって電池が発明された.
電流の単位には[A](アンペア)が用いられる. これはアンペールの名前から取られたもの. 1[A]は,電流間に働く力の大きさによって定義されている.
ファラデーは簡単な発電機を制作している. これは単極発電機として知られており,通常のものと構造が異なるが仕組みは同じものである.
磁気が光の偏光面を変化させる現象. ファラデーは実験によりこれを示した. 磁気と光の相互作用を示したことは,光が電磁波であることの証拠でもある.
電磁波の議論の詳細は電磁気学の本を参照のこと.
ヘルツは火花放電により電磁波を発生させ,それらが波の性質を持っていることを証明した.
有名な歴史的実験としては1887年のマイケルソン・モーレーの実験がある. その他にも数多くの実験がなされており,現在まで光速度の変化は観測されていない.
注:物質中では真空中よりも光は遅くなる.
慣性系とは,慣性の法則が成立するような場所をいう. つまり,静止している物体は静止しつづけ,運動している物体は速度を変えない場所である. このような系の間では,自分が運動しているのか,相手が運動しているのかを区別できないので,成立する法則は同じ形を取ると考えられる.
金属の表面に紫外線などを照射すると電子が飛び出してくる. これを光電効果という. 電子が飛び出してくる際に重要なのは光の波長であり,強度が強くても波長の長い光では飛び出してこない. これを説明するため,光は粒子であると考えることが必要となる.
光は波動であると考えられていたが粒子の性質を持つことが明らかとなった. また,粒子であると考えられていた電子は波動の性質を持っていることも明らかとなった. これら粒子と波動の二重性を説明するために考え出されたものが量子力学である. 現在のエレクトロニクスの発達は量子力学のおかげである.
しかしながら,理解しがたい奇妙な理論でもある. 奇妙であっても実験事実や実際の現象をより多く正確に記述できる理論が支持される. 理念が優れていることや奇抜なだけでは駄目である.
20世紀になって,相対性理論と量子力学というそれまでの物理学を大きく修正する理論が誕生した. 私は物性物理が専門なのでそう思うのかもしれないが,相対性理論が物理学に与えた影響はそれほど大きくはない. むしろ,量子力学の方が物理学の姿を大きく変えたといえる.
相対論的な効果(特殊相対論,一般相対論の両方を意味する)が効いてくる領域というのは,極めて光速に近いか,極端に重力が強いか,といった限定された領域であり,我々の日常生活ではほとんど関係ないといってよい.
一方,金属中の電子の運動は量子力学なしには説明できない. 多くの単元素の気体が2原子分子となることや,原子が化学結合を行い分子を作ることは,量子力学によって説明可能となった. 日焼けをすることだって量子力学的な効果(ちょっと言い過ぎかな?)なのである.